リリース発行企業:関西外国語大学
関西外国語大学(大阪府枚方市)国際共生学部の福田和生准教授のゼミ「Global Engagement Research Group」では2年前から、国連人権理事会の各加盟国の人権状況の報告書を作成しています。今までに提出したブータン(2024年)▽ラオス、マラウイ(2025年)▽ネパール、ナミビア、タンザニア(2026年)の6カ国の報告書の一部が、国連人権理事会での人権状況の審査の際に資料となるサマリーに採用されました。

国連人権理事会では、国連の全加盟国の人権状況を約5年のサイクルで審査するUniversal Periodic Review (普遍的定期審査)を実施しています。国連加盟国すべての人権状況について、加盟国同士で定期的に審査します。審査対象となる国が作成した報告書のほか、国際機関の報告や国連の公用文書を編集した文書、そして国連人権高等弁務官事務所がNGOや人権団体、大学などから集めた情報を集約したサマリー(stakeholder compilation report)に基づいて審査が行われます。
報告書を提出しているのは、欧米の人権団体やNGOなどが中心です。日本から提出した報告書で、国連人権高等弁務官事務所がサマリーに引用するケースはまれで、ブータン▽ラオス▽マラウイ▽ネパール▽ナミビア▽タンザニアの6カ国のサマリーでは福田准教授のゼミの報告書だけでした。
ゼミ生は対象となる国の人権について、国連や国際機関のレポート、当該国の政府の報告書など、時には100件を超える文献やデータを読み込んで、報告書を作成しています。中でも重点的に調査しているのが、開発途上国の「子どもの権利」「女性の権利」「教育を受ける権利」です。開発途上国での人権状況を考える際に、最もマイナスの影響を受けるとみられる子どもと女性を焦点にして報告書をまとめています。

▲報告書の作成に向けてゼミ生同士で意見を交換します
11月の国連人権理事会で審査を受けるタンザニアについては、8月31日にサマリーが仕上がりました。サマリーでは、ゼミ生が報告書に記載した意見が「子どもの権利」「女性の権利」「教育を受ける権利」のセクションの4カ所で引用され、14カ所で言及されました。

▲タンザニアのサマリーでは4カ所で採用されました
タンザニアの審査のために、世界の43団体が報告書を提出しました。多くの報告書が1〜2カ所の引用にとどまっており、引用されていない報告書もあることから、世界の人権状況を審査する国連機関での関西外国語大学の存在感が一層増しています。

▲「Global Engagement Research Group at Kansai Gaidai University」と記されています
ゼミではさらに、南スーダン、モルドバ、東チモールの審査のための報告書を既に国連人権理事会に提出しました。いずれも2027年の審査に向けてサマリーの作成が進んでいます。関西外大の報告書は今まで全て複数回引用されており、“開発途上国の人権問題を深く追究している日本の高等教育機関”としてプレゼンスが高まっています。
指導に当たる福田教授は「国連人権理事会への報告書提出が6回目を迎え、ゼミ内でも報告書作成に際するシステムが構築されつつあります。人権問題は一夜で解決するようなものではなく、持続可能な形で取り組んでいく必要があります」と研究の意義を強調し、「ゼミでは、今後も研究を重ね、少しでも多くの国々における人権状況改善に貢献していきたいと思います」と話しています。
国連人権理事会のサマリーとゼミ生がまとめた報告書






