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通天閣が南海電鉄の子会社に 「引き続き大阪のランドマークとして」

通天閣観光の高井隆光社長、南海の岡嶋信行社長

通天閣観光の高井隆光社長、南海の岡嶋信行社長

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 通天閣(大阪市浪速区)を運営する通天閣観光(同)が南海電気鉄道(以下、南海)の子会社になる。12月4日、発表があった。

通天閣 南海グループ加入記念セレモニー なんかいい通天閣

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 南海は、通天閣観光の発行済株式の70.8%を12月27日に取得する。通天閣観光の経営陣は残るが、南海が役員を派遣して、新たな経営体制に移行させる。南海は、なにわ筋線の開業に向けた沿線価値向上に取り組んでおり、エリアマネジメントの分野では「グレーターなんば」の創造を掲げ、なんば広場の整備や通天閣の玄関口となる新今宮駅周辺のにぎわい創出などに務めてきた。今回の子会社化は、新世界エリアや事業のさらなる発展を検討していた通天閣観光と南海が、同エリアの発展は両社が保有するさまざまなリソースを一体化して取り組むことが双方にとって最善であるという考え方が一致したからという。

 2代目となる現在の通天閣は1956(昭和31)年10月28日、地元住民らによって再建。以来、大阪・新世界のシンボル的な存在として親しまれ、新世界が舞台のNHK連続テレビ小説「ふたりっ子」が1996(平成8)年に放映された頃から来塔客が増えた。近年は海外訪日客も多く訪れるようになり、昨年度はコロナ禍前を大きく上回る約137万人が来塔したという。2022年には全長60メートルの滑り台「タワースライダー」を、今年7月にはタワー中間部から約14メートル下の中間展望台を目がけてダイブするアトラクション「ダイブ&ウォーク」を、相次いで導入した。

 通天閣観光の高井隆光社長は「先ほど南海グループの一員となることに合意した。南海電車から『クーリングオフはないで』と言われている」と笑いを誘い、「通天閣と地元新世界の未来を誰よりも考え、これまでさまざまなところといろいろな可能性を求めて協議し検討していた。一部では通天閣がなくなってしまうかもしれない、通天閣という名前が変更されるのではないかといった憶測も飛び交ったが、通天閣は今までもこれからも通天閣であり、引き続き大阪のランドマークとしてお客さまと地域の皆さまに愛される存在であり続ける。安心してほしい」と話す。

 「通天閣は大阪を象徴するにぎわいのシンボルとして、長年にわたり、関西はもとより全国レベルで多くの人に愛されている。その歴史と伝統を引き継ぎながら、これからは南海グループの一員として新たな一歩を踏み出すことになる。これまでも通天閣観光と南海グループは、さまざまな機会で協力関係を築いていたが、大阪に根差し、共に地域を盛り上げてきた両社が、これまで以上に密に協力関係を築くことによってシナジーを最大化し、企業グループとして大きく成長し、大阪のさらなる発展に一層貢献していきたい」と南海の岡嶋信行社長。新世界については、「飲食、小売業、南海電鉄の本業である運輸業とこのエリアの宿泊やエンターテインメントなどを掛け合わせたドミナントを形成する」と狙いを明かした。

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