通天閣(大阪市浪速区)を経営する通天閣観光(同)が12月26日、年末の恒例行事「干支(えと)の引き継ぎ式」の口上を天王寺動物園(天王寺区)で発表した。
「干支の引き継ぎ式」は、1956(昭和31)年から続く大阪の名物行事。今年の干支と来年の干支にちなんだ動物が対面し、双方の動物に代わって駄じゃれを交えた今年の反省と来年の抱負を発表する。コロナ禍の影響で一昨年は中止、昨年は口上をウェブサイトで発表した。今年も干支動物(トラ、ウサギ)の登場はなかったが、3年ぶりにマスコミの前で通天閣観光の西上雅章会長、天王寺動物園の向井猛園長が口上を披露した。
発表された今年(寅年)の口上は、「今年は北京冬季五輪で日本のメダル奪取や、将棋の藤井聡太さんの5冠最年少記録、サッカーワールドカップでの日本の活躍明るい話題もありましたが、日々の生活はトラブル三昧、コロナ禍生活も3年目に突入、加えて物価高に急激な円安、電力供給量逼迫(ひっぱく)と気をトラれてばかりの一年でした。国内政治も一向にまとまらず、えガオー(笑顔)はどこへやら、こんな生活タイガーい(大概)にしてほしいです! そして来年こそ『アレ』を頼むぜ!」。
来年(卯年)の口上は「うさぎ(塞ぎ)たくなる話が多いですが、来年はとにかく兎(と)に角、ピョンピョン ホップ ステップ ジャンプ 飛躍の一年に致しましょう! コロナが落ち着くのを首じゃなくて、耳を長くして粘り強く待ち、脱兎のごとくスピーディーな景気回復を期待しています。来年こそは願いが叶(かな)うさ!どうか卯まくいきますように~!ブラボー!」(以上、原文ママ)。
西上会長は「通天閣は今年5月にタワースライダーが完成して、たくさんの人に来ていただいた。来年はネオン改修が完成するので、来年こそはネオンと共に明るい年を迎えたい」とあいさつした。