大阪で路面電車を運行する阪堺電気軌道(阪堺電車)は3月29日、国内現役最古となる電車「モ161形」の一つ「モ161号」の大規模修繕工事をクラウドファンディングにより実施すると発表した。
昭和40年当時の姿に復原した「阪堺電車モ161形モ161号」の車内
同社は、1928(昭和3)年から運行している「モ161形」を4両所有。トップナンバーであるモ161号は、阪堺線開業100周年記念事業の一環で、内外装を1965(昭和40)年当時の姿に復原して2011(平成23)年に開催された「第13回路面電車まつり」でお披露目された。同社の象徴的な存在で、現在は主に貸し切り電車として運行している。クラウドファンディングのプロジェクトは「百寿まであと7年。『モ161号』動態保存にむけて大規模修繕工事を」と題した。
大規模修繕工事は、乗降口扉の新製および取替え(全8枚)、外板修理および塗装更新など。同社によるとクラウドファンディングを実施する理由は、前回の改造から10年を経過した昨今、半鋼車であるため木製部分を中心に腐食が非常に進んでおり、今後も同車両を運行し、維持していくためには早期の大規模修繕が必要と判断。本来であれば自社費用で施工するべきところ、昨年から続くコロナ禍に伴うテレワークの推進・イベントや外出自粛などの影響による業績悪化のため、同車両の大規模修繕工事費用の全額を捻出することが困難な状況にあるという。
プロジェクトの支援者には、モ161形ポストカード、モ161形オリジナルマスク、「モ161号大規模修繕工事」竣工お披露目車庫撮影会ツアーなど、支援額に応じた返礼品を用意する。
目標金額は748万円。募集期間は3月30日9時~6月25日23時。