天王寺区は同区在住の中学生・高校生を対象に、企業・機関の研究生として働くインターンシップ事業を始める。6月26日、同区役所で会見を開いた。
同区では、実践的な職業体験を積んで社会人になって働くときに必要な能力やマナーなどを学び、将来どんな仕事がしたいかなどを考えるきっかけになるよう実施する。実施機関は7月29日または8月19日から5日~10日間程度。大阪市で1日程度の職業体験を行った例はあるが、中高生向けに本格的なインターンシップ事業を実施するのは初めてという。
受け入れ企業・機関は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、ヤフー大阪支社、ミキハウス、大阪市職業リハビリテーションセンターなど10社(機関)を予定。実習内容は、ヤフーではトップページに掲出されている編集業務を体験、JAXAでは宇宙技術の商品化や販売戦略の提案などをそれぞれ予定する。
同区の水谷翔太区長は「終身雇用制が崩れてきている。社会に依存しない自分自身のキャリアは自分でつくり上げる子どもたちを一人でも多く育てていきたい」とし、中高生を対象にしたことについて「大学生になって就職活動を始める時期に自分のキャリアを考えるのは遅い。会社を興すことも可能だと手応えを感じてほしい」と話し、「受け入れ先にJAXAが入っているのは驚いた。天王寺から宇宙飛行士が育てば」と期待を寄せる。
募集定員は12人。希望者が特定の機関に集中した場合や応募者が定員に達した場合は、希望者から応募動機などの作文を提出してもらい、同区と委託企業が協議して選定する。7月26日に準備研修を行い、インターンシップ後に同区役所で報告会も予定する。
同事業は、KEGキャリア・アカデミー大阪本部(北区、TEL 06-6454-1115)に委託。応募は同社への電話、メールなどで受け付ける。申込期間は7月1日~12日。