天王寺動物園(大阪市天王寺区)で10月9日、同園で飼育しているコアラ「アーク」(雄、12歳)の最後の公開日となり、多くの来園客がお別れに訪れた。
アークは、2006(平成18)年オーストラリア生まれで、天王寺動物園には2008(平成20)年に来園。「アーク父ちゃん」の愛称で親しまれ、現在は大阪で唯一飼育されているコアラだが、ロングリートサファリパーク(イギリス)に繁殖目的のリーディングローン契約で貸し出すことになり、10月10日に園を出る。
閉園時には木に登ったアークを西岡真獣医師がお迎えして、「アーク父ちゃんお迎えタイム」と題して同園のフェイスブックページでライブ配信するのが恒例。最後となったこの日も来園客が見守る中、西岡獣医師がコアラに扮(ふん)した姿でアークをお迎えした。西岡獣医師は「今まで長い間ありがとう」とアークに代わってあいさつすると、来園者から大きな拍手が送られた。
来園者たちは「小さいときから天王寺動物園でコアラを見てきたから寂しい」「今日が最後と知って来た。前はたくさんのコアラがいたのに」などと話し、「いなくなることが受け止められない」と涙ぐむ人の姿もあった。