通天閣地下劇場(大阪市浪速区恵美須東1)で9月16日、ジャズバンド「イーゼル芸術工房」がワンマンライブ「カーテンコールをもう一度」を開いた。
同バンドは昨年から、通天閣オフィシャルバンド「通天交響楽団」としても活動。同塔に32年間鎮座していた幸福の神様ビリケンさん(2代目)もメンバーに加わり、ライブ会場などに帯同している。メンバー8人のうち、男性6人は柏原市で共同生活を行っている。
JR大阪駅前で先月、路上ライブを行っているときにジャパンツアーで訪れていた「エアロスミス」のスティーヴン・タイラーさんが同バンドを気に入って飛び入り参加し、翌日に大阪市中央体育館で開かれたライブに招待され控室にも招かれた。そのことが「奇跡のバンド」としてネット上で大きな話題になった。その勢いで今月15日には音楽フェス「コヤブソニック」のオープニングアクトに投票などで選ばれて出演した。
通天閣地下劇場は6月、松竹芸能が開いてきた歌謡ショー「通天閣歌謡劇場」と寄席「TENGEKI」が通天閣観光との契約終了で同所での興行を終えた。今月23日に開かれる「ワタナベフラワー」のライブ後、新たな施設として改装工事に入る。
イーゼル芸術工房と通天閣との関わりは、約5年前から男性メンバーが地下劇場で平日に行われるイベントなどで音響、照明などを担当。今回は劇場がなくなるまでにライブを行いたいと通天閣観光に直訴して実現した。
当日は、限定30人の観客を前に通天閣100周年記念ソング「通天閣ラブストーリー」など約20曲を歌った。リーダーの竹下壽晃さんは「(同劇場は)毎日のように来て、いろいろなアーティストの音響、照明をした思い入れのある青春の場所。ここでイベンターの人に怒られたりして社会のことも学んだ」と話した。