通天閣(大阪市浪速区)で年末に行われる恒例行事「干支(えと)の引き継ぎ式」が、今年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止で中止になった。同塔を運営する通天閣観光(同)は12月25日、同式で予定していた口上を発表した。
「干支の引き継ぎ式」は、1956(昭和31)年から続く大阪の名物行事。今年の干支と来年の干支にちなんだ動物が対面し、双方の動物に代わって駄じゃれを交えた今年の反省と来年の抱負を発表する。
発表された今年(子年)の口上は、「今年はなんと言っても、 新型コロナウイルス感染症に振り回された年。ウイルスが世界各地に広がって、緊急事態宣言が行われ、皆、ふラット外出したい気持ちを抑えて、夢チュー(夢中)で感染防止に取り組みました。健康へのチュー目(注目) が高まり、感染状況に一喜一憂しながらテレビやネットをねずみ(寝ず見)る毎日でした。ま~うすうす感じていましたが、コロナとの闘いはまだ続きそうです。引き続き一致団結、頑張りマウス」。
来年(丑年)の口上は、「来年は丑年、どっしり構えて、一歩一歩着実に進めて行きましょう!健康も経済も両立して、コロナをやっつける年になりますように皆さんくれぐれも、ギュウギュウ詰めになるのは避けましょう。モートゥ(Go To)キャンペーンを使って、気持ちを元気にすると共に、各企業もモーcowる(儲かる)一年にしたいです!来年がハッピーギューイヤーになり、うっしっしと笑えることを祈って!サンギュー」(原文ママ)。
通天閣観光の高井隆光社長は「コロナ禍の中で年末に話題を提供したい気持ちはあったが、関係者の方々を感染させるわけにはいけない、苦渋の決断で中止にした。来年は笑顔で干支の引き継ぎ式ができるようになれば」と話した。