市民ZOOネットワーク(東京都杉並区)は10月28日、動物園・水族館の取り組みを表彰する「エンリッチメント大賞2020」を発表。天王寺動物園(大阪市天王寺区)の「高齢ラクダへの取組み」が奨励賞を受賞した。
フタコブラクダ「ジャック」、土壌の改良で以前より歩き回る様子が見られるようになったという
環境エンリッチメントは、「動物福祉の立場から、飼育動物の『幸福な暮らし』を実現するための具体的な方策」。エンリッチメント大賞は、2002年度から実施されている。
同園の「高齢ラクダへの取組み」は、高齢のフタコブラクダ「ジャック」(雄、28歳)に給餌方法の変更、ハズバンダリートレーニング、歩きやすい土壌への改良などを実施。大学や専門学校と連携し、データロガーなどを使った詳細な行動分析で定量的な効果測定が行われた結果、立ち上がるのに要する時間が短くなる傾向が見られるなど、効果があったことが評価された。
同園の牧慎一郎園長は「これからの動物園は、飼育動物の高齢化が大きな課題になっている。エンリッチメントをしっかりやって、少しでも健康に長生きしてもらう取り組みをやっていかなければいけない。(飼育員が)頑張ってくれた結果を評価してくれてうれしい」と話す。