通天閣(大阪市浪速区)地下のわくわくランドで現在、賞味期限間近の商品が山積みになっている。
並んでいる商品は主にインバウンド向けなどの土産用で、新型コロナウイルス感染症の影響で観光客が激減したことから売れ残ったもの。在庫を抱えた取引先の支援を目的に引き受け、小さいものを合わせると1万個ぐらいになるという。大半が4月中旬から7月ごろに賞味期限が切れることから、普段はライブイベントなどで使うスタジオ210に特売コーナーを設け、ほとんどを半額で販売している。
同塔を運営する通天閣観光の高井隆光社長は賞味期限間近の商品について「日頃から付き合いのある取引先の支援になればと引き受けた。3月13日に始めて、ツイッターで話題になったことから3日間で1000個くらいの商品が完売して安堵(あんど)していたが、それからも日増しに増えて、今ではこの在庫量に少し途方に暮れている」と肩を落とした。
ほかの観光施設の多くが臨時休業している中でも営業していることについて、「地域(新世界)の中でのランドマークの立ち位置として、通天閣が閉めると地域も閉まってしまう。少しでも開けて地域のために通天閣の明かりをともし続けないとの思いで営業は続けている」と話す。3月の来場者数が前年比で約60%減だったことから「このありさまで閑古鳥が鳴いている。非常事態」とも。
営業時間は10時~18時30分(4月15日まで)。わくわくランドの入場料は無料(展望台は入場料要)。