四天王寺(大阪市天王寺区)で文化財防火デーの1月26日、大阪市消防局による「消防総合訓練」が行われた。
訓練は五重塔の1階から出火し、上層階へと延焼拡大の危険性があり、負傷者や逃げ遅れが複数名発生していると想定。消防車や救急車など消防車両7台、ヘリコプター1機や同寺の関係者で構成する自衛消防隊16人、消防局40人が参加し、通報、誘導避難、文化財の緊急搬出、救命処置、一斉放水などの訓練を行った。
文化財防火デーは、1949(昭和24)年1月26日に奈良県・法隆寺の国宝建築物・金堂から出火し、壁画が焼失したことを契機に国が貴重な文化財を守ろうと1955(昭和30)年に定めた。
同寺の瀧藤尊淳執事長は「火災発生時にはご参詣の方々の安全確保を最優先することは言うまでもないが、先人が各時代で苦労して残された文化財を後世に引き継ぐことも今を生きるわれわれの使命」とあいさつした。