新世界・通天閣(大阪市浪速区恵美須東)が7月3日、共に100周年を迎え、記念イベント「新世界100年まつり」の公式キャラクター「キン肉マン」効果で街全体がにぎわいを見せている。
新世界の飲食店など約20店で販売している「キン肉マン」だっこちゃん人形
地元商店主らで構成する新世界100周年実行委員会は、キン肉マンの作者ゆでたまごが同地にゆかりが深い情報を得て公式キャラクターをオファー。昨年、新世界100周年キン肉マンプロジェクト推進委員会を組織。ゆでたまごは、大阪出身の嶋田隆司さんと中井義則さんの共同ペンネーム。中井さんは浪速区出身で、父親は通天閣の建設に関わるなど縁が深く、嶋田さんは帰阪する際、父親とよく訪れたジャンジャン横丁で串カツを食べるという。
同プロジェクトでは、今年3月から街中にキン肉マンが描かれたバナーなどを掲出。キン肉マンに登場するキャラクター4体の等身大オブジェも製作し、7月3日に公開。オブジェは主人公のキン肉スグル、ロビンマスク、テリーマン、ウォーズマンで、当初、通天閣本通商店街で常設する予定だったが、道路使用許可の問題で同商店街での展示はイベント開催時のみになった。
通天閣2階でキン肉マンの日の6月29日、キン肉マンミュージアムがオープン。キン肉マンの黄金・銀のマスク、バッファローマンのロングホーン(角)、ロビンマスクのマスク、ウォーズマンのマスクとベアクローや原画(複製)なども展示。1階入り口にはロビンマスクの等身大オブジェを設置。今月の休日は、展望台に上るのに最大約2時間の待ち時間も発生。今月の入場者数は昨年比で約2割増しという。通天閣観光・高井隆光副社長は「100周年とキン肉マンのゴールデンタッグの効果」と話す。
通天閣本通商店街には、キン肉マングッズ専門店「マッスルショップ」が7月3日にオープン。遠方から訪れる客も多くにぎわってる。イベント開催時以外は、テリーマン、ウォーズマンの等身大オブジェを設置している。
同実行委員会の近藤正孝さんは、マッスルショップで販売しているビニール製の「キン肉マンだっこちゃん人形」(210円)に着目。「この人形を持つ人が新世界中にあふれたら盛り上がる」と思い、飲食店などでも販売するよう働きかけた。現在、同エリアの喫茶店など約20店で販売している。
今月28日には「新世界100年まつり」(1日目)を開催。嶋田さん、神谷明さん、ガリガリガリクソンさんが出演するトークショーも予定する。
そのほか、阪堺電車でキン肉マンのラッピングを施した「キン肉マン電車」が運行。南海電鉄が作者ゆかりの地を巡るスタンプラリーを開催。JR大阪環状線の電車1車両に同プロジェクトのヘッドマークを掲出するなど波及。温泉施設「スパワールド世界の大温泉」でも9月、タイアップ企画を行う予定があるという。