新世界の喫茶レストラン「グリルDEN・EN」(大阪市浪速区恵美須東2)は新世界・通天閣が100周年を迎えた7月3日、初代・通天閣前の喫茶店で100年前にメニューに並んでいた幻のメニュー「焼氷」の提供を始めた。
新世界の基となった遊園地「ルナパーク」が開業した翌年に発行された写真集「大阪新名所 新世界写真帖」の中で、初代・通天閣前にあった喫茶店「白雨亭」に「焼氷」の看板があることを上杉酒店(恵美須東3)の上杉和功さんが見つけ、正体を解明しようとする活動が100周年を前に話題になった。
上杉さんと、今回提供を始めた「グリルDEN・EN」の和田賢史さんは、写真集に珍味と書かれた「焼氷」を商品化しようと、情報がないまま、営業終了後にさまざまな食材や製法を使って再現を試みた。
結果、提供する焼氷は、かき氷にカラメルソースをかけ、刻んだイチゴとその上にアイスクリームを載せて、提供するときに酒を上からかけて火をつけるというもの。価格は700円。店内には、写真集にあった看板をかたどった看板も掲げる。
和田さんは「(100年前の)焼氷はかき氷に、当時では珍しいカラメルソースをかけたものだったと思う。今の客にそのまま提供してはだめだと思い、『焼く』にこだわって火をつけることにした。これで完成ではなく、これからさらに手を加えたい」と話している。
営業時間は12時~21時(焼氷の提供は14時~)。月曜定休。