今年7月3日に初代から数えて100周年を迎える新世界のシンボル・通天閣(大阪市浪速区恵美須東1)の展望台がリニューアルされ、4月26日、翌日の一般公開に先駆けて報道陣に公開された。
展望台(5階)は高さ91メートル。今回のリニューアルは大阪にゆかりのある豊臣秀吉が造らせた金の茶室をイメージして黄金色に統一。幸福の神様・ビリケンさんが鎮座する金のビリケン神殿も設けた。周りにはビリケン顔に仕立てた七福神の像も配置。天井には中国神話に登場する四神(しじん)を、床には干支(えと)を、それぞれ描いた。
現在のビリケンさんは1980(昭和55)年に復活した2代目。もともとは、アメリカの女性芸術家が夢で見た神様で、初代通天閣があったルナパーク(遊園地)に登場したが閉園後に行方不明になった。足の裏をかくとご利益あるといわれ、32年の間、多くの人が願い事をしたため足の裏がくぼんでいる。今回のリニューアルに伴い、ビリケンさんも新調。新しいビリケンさんとは5月23日に交代を予定する。
先駆けて公開している4階は夜間の集客アップを狙い、夜は天井などにブラックライトに反応する発光インクを使った星空などを描き、幻想的な雰囲気に仕立てた。展望台に初めてトイレも設置した。
併せて、展望券売場や売店などがある2階の一部も改装。レジを招き猫神社風に仕立て、通路に昭和初期の新世界をモチーフにした装飾も施した。
同塔は、100周年に向けて2階に新世界100年まつりの公式キャラクターの漫画「キン肉マン」のミュージアムなども準備。7月3日には通天閣地下・スタジオ210で記念セレモニーも予定。
高井副社長は「ビリケンさんの交代と同時期に開業する東京スカイツリーに対抗する」と意気込む。「ゴーデンウイークにさらなるパワースポットになった通天閣に来てほしい」とも。
営業時間は9時~21時(5月3日~5日は22時まで)。展望料金は、大人=600円、大学生=500円、中高生=400円、小人=300円。