近鉄バスの「あべの・上本町シャトルバス」が7月1日、一部の便を松屋町筋経由に変更して停留所を2カ所開設した。
【動画】「あべの・上本町シャトルバス」松屋町筋ルートの運行開始記念イベント
あべの・上本町シャトルバス(通称ハルカス便)は、開業前の日本一高いビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)に近鉄百貨店本店が先行オープンした2013年6月13日に運行開始。上本町とあべのハルカス(あべの橋)の間を毎時約4便運行する。運賃は全区間100円(大人・子どもとも)。
松屋町筋ルートは、天王寺区との共同事業で開始。下寺町一丁目と下寺町二丁目(和空 下寺町前)の2つの停留所を新設。あべの橋行きのみ、10時台から16時台の1時間に1便が松屋町筋を経由する。
下寺町地域は、コミュニティーバス(赤バス)の天王寺ループが2013年に廃止されたことで住民からはバス運行を求める声が多かったという。今回の新ルートは高齢者に地域タクシー券の交付などの対策を行ってきた天王寺区が近鉄バスに運行を呼び掛けて実現した。
今年4月にオープンした体験型宿坊「和空 下寺町」(天王寺区)では7月3日、運行開始記念イベントを開催。同バスに乗車して訪れた外国人留学生10人が茶道や写経などを体験した。
天王寺区の西山忠邦区長は「下寺町と谷町筋は標高差が16~17メートルある。下寺町にお住まいの区民の皆さんが病院とか区役所に来られる際に坂を上るのが非常につらいとずっと聞いていた」などと近鉄バスに持ち掛けた理由を明かし、「よく知られていないが下寺町は浪速区の日本橋、通天閣も近いので活用いただけたら」とも。