四天王寺(大阪市天王寺区)で節分の日の2月3日、天王寺蕪(かぶら)の干し蕪が入った「天王寺かぶら汁」が振る舞われた。
天王寺蕪は江戸時代から明治末期に栽培され、同区など一帯は蕪畑が広がっていたという。長い間栽培されていなかったが、郷土名物を復活させようとする動きが高まり1995年に復活した。節分の日に干し蕪が入ったみそ汁と麦飯を食べるのは、無病息災・厄よけ開運を願う古くからの習わしで、同寺では2015年に「天王寺蕪の会」などの呼び掛けで復活した。
当日は、同寺に昨年11月建立された、野沢菜の起源が天王寺蕪だとする「野沢菜伝来記念碑」のミニチュアレプリカの除幕式も開かれた。レプリカは三つ作られ、一つは野沢温泉村(長野県)に贈ったという。
天王寺蕪の会事務局長の難波りんごさんは天王寺蕪について、「昔はこの辺りでたくさん作られていた。皆さんに知っていただき、生産量も増えて普通に家庭で食べられるようになれば」と期待を寄せる。