育児助成金白書事務局(大阪市中央区)は12月17日、天王寺区の水谷翔太区長が取り組む「いじめ相談区長直通ダイヤル」を大阪府ベスト育児制度賞として表彰した。
いじめ相談区長直通ダイヤルは、同区長が専用の携帯電話を持って区内の小中学生を対象にいじめの相談を365日24時間受け付けるもので、公募で区長に選ばれた2012年から行ってきた。匿名でも相談可能で電話番号は同区のウェブサイトで公開している。月1回程度の電話相談があり、転校することで解決に至ったこともあるという。
育児助成金白書は子どもを持つ女性に役立つ国・都道府県・市区町村・各団体のサービスを集めて地域別に閲覧できるウェブサイトで、今年6月に開設された。ベスト育児制度賞は地域の独自性が強く広く知ってもらいたい育児制度で、今回初めて表彰。来年から東京、神奈川、埼玉と順次選定する予定。
同事務局の浜辺拡臣事務局長は「天王寺区長の直通ダイヤルは、こんな人がいるのかと電撃が走った。審査基準の困っている子どもや保護者に有益になる、または孤立・困難に直面する抑止になることを重視した」と話す。
水谷区長は「直通ダイヤルは思い入れのある取り組みの一つ。予算が決まっている中で携帯電話代ぐらいなら何とかなると思って始めた。大切にしたかったのは早期発見。学校の先生、親にも打ち明けにくい子どもが一定数いる。区長だからでなく、学校以外でいじめ相談を受け付ける人が数多くいることが大切。始めはニュースとかで報道されたが、最近はかかってくる頻度も少なくなっている。受賞を機にこんな制度があることを知ってもらい、気軽に利用してほしい」と呼び掛ける。
同区はほかに、スマートフォン向け子育て情報アプリ「ぎゅっと!」を無料配信する取り組みも行っている。