通天閣が免震改修工事へ-100年後を見据え免震展望タワーに

通天閣の現在と工事完成後のイメージ

通天閣の現在と工事完成後のイメージ

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 新世界のシンボルで展望塔の「通天閣」(大阪市浪速区)を運営する通天閣観光は7月3日、今秋から行う免震改修工事などの詳細を発表した。

今秋から免震改修工事を実施する通天閣

 同社は、南海地震などの巨大地震が起きた場合に備えて免震改修工事を10月~来年6月末までの9カ月間実施すると発表。大阪大学大学院・工学研究科の宮本裕司教授らによる耐震計測によると、鉄骨造建物として構造的な劣化は進んでいないが、巨大地震の発生で塔の一部が変形する恐れがあることが判明したという。

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 既存部材の入れ替えなどを行う「耐震改修」、塔に制震ダンパーを追加する「制震改修」と比べて塔(上部)の印象が変わらず、地震発生時に全体がゆっくり揺れるだけで済むと想定される「免震改修」を採用。塔の4本の足(基壇部)に免震ゴム(天然ゴム系積層ゴム)を設置。風に対してロック機能が働き、地震時にロックが自動解除されるロックダンバーや鉄骨の梁(はり)なども加える。総工費は約6億円。工事を請け負う竹中工務店(中央区)によると、展望タワーでは世界で類を見ない免震改修工事という。工事期間中も営業を続ける予定。

 併せて、初代通天閣の天上に広告を掲出していた化粧品メーカー「クラブコスメチックス(当時は中山太陽堂)」(西区)が天上画を寄贈し、来年夏に復刻させることも発表した。

 7月3日は初代通天閣が完成し、通天閣が立つ新世界の基となる遊園地「ルナパーク」が1912(明治45)年に開業した記念日。2012年に100周年を迎えた。初代は1944(昭和19)年、前年に起きた足元の映画館の火災による損傷と戦争中の金属献納運動から解体された。新世界の町民から通天閣の再建運動が起きて出資を募り、1956(昭和31)年に2代目が完成。設計は名古屋テレビ塔や東京タワーも手掛けた内藤多仲(1970年没)。

 今回の改修工事などの取り組みを「Next210(ツーテン)」プロジェクトと命名。通天閣観光の西上雅章社長は「2016年は開業60周年の還暦を迎える。ここ数年は入場者数が110万人を超える勢い。たとえ大地震が発生しても通天閣を永続的に保存するため、充分な耐震性と来場者の安全を確保し、今後の100年に向かって歩み出す第一歩」と話す。

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