辻調グループ校・創立50周年記念事業「第2回辻静雄食文化賞」贈賞式が6月15日、辻調理師専門学校(阿倍野区松崎町3)で開催された。
同賞は、創設者である故・辻静雄さんの食文化普及の活動を記念し、「食」に関する目覚しい活躍、新しい世界を築きあげた作品と作者に賞を贈るもの。昨年創設され、選考方法は全国の報道機関などから推薦された作品から中間選考を経て、石毛直道委員長(国立民族学博物館名誉教授)のほか6人で構成された同選考委員会が決定する。
同賞には、「茶懐石に学ぶ日日の料理」の後藤加寿子さんと、「家族の勝手でしょ!-写真274枚でみる食卓の喜劇-」の岩村暢子さんが選ばれた。
「茶懐石に学ぶ日日の料理」は、家庭でできる心づくしのもてなしこそが懐石料理の本来の姿だというメッセージを静かに強く打ち出した茶懐石の入門料理書。料理写真は茶室の暗さそのままを取り入れ、空間のイメージを感じさせる。
「家族の勝手でしょ!-写真274枚でみる食卓の喜劇-」は、首都圏の子どものいる家族の食卓を1998年から調査し、対象者の日記や料理写真などで現代の食文化を伝える問題作。お菓子で朝食、赤ちゃんの一人食べ、みそ汁の回し飲みなど、さまざまな事例を挙げ、食文化にとどまらず社会や家族の問題にも踏み込んでいる。