大阪唯一の路面電車を運行する阪堺電気軌道のあびこ道車庫で6月5日、新型低床式車両「堺トラム(1001形)」の試乗会が行われ、運行開始日を8月25日と発表した。
既存車と比べて30~40センチ低い低床式の3連節の車両で、車いすやベビーカーでも乗降しやすい。カラーデザインは公募で選び、外観を古墳や阪堺電車をイメージした緑、千利休「わび」をイメージした白茶がベースなどでデザイン名を「茶ちゃ」と名付けた。車内は「堺更紗」をイメージしたシート柄、竹のブラインドなどで和風に仕上げ、液晶モニターに堺の観光情報を映す。仕様は全長16.3メートル・全幅2.4メートルで定員は76人。
同車両は堺市と国が支援して導入。公共交通活性化促進基金でも1,100万円以上の寄付が集まった。2014年度までに2編成を追加する予定。
当日は堺市の竹山修身市長が車内で会見し、「市民の皆さまと外から堺に訪れる人に乗ってほしい。堺市が2010年に阪堺電車を支援することを決めてから利用客が伸びている。低床式車両の導入は大きな目玉。さらに利用客の増加につなげたい」と話し、試乗して「乗り心地がスムーズで、今までより格段と良くなっている」とも。
8月25日からの運行は浜寺駅前から我孫子道間で1日5便を予定。大阪市内への運行は低床式のため軌道の整備などが必要で、浜寺駅前~天王寺駅前間(上町線)が本年度末の営業運行開始を予定している。