天王寺動物園(大阪市天王寺区茶臼山町)は7月10日、アムールトラ1頭がトラ舎から脱出したと想定し、訓練を行った。
倒れた樹木を足掛かりにして園内に脱出した想定で行った捕獲訓練。トラは、職員が着ぐるみで扮(ふん)した。訓練の流れは、職員がトラの脱出を発見。緊急配備やゲートの封鎖などを行い、捕獲班が追い込み作業に入り、トラに麻酔銃で2発目を撃った後捕獲するまで。同園と天王寺公園のスタッフ約40人が参加した。捕獲訓練は2年に1回の割合で実施しているという。
トラに扮した飼育スタッフ(31)は、大量の汗をかきながら取材に応じ「飼育員の中で一番若手だから選ばれた」と話していた。トラの格好で登場した際に子どもから握手を求められ、応じる場面も見られた。
高橋雅之園長は「捕獲までの約20分、実地に近い訓練でスムーズにいった。普段から装備などの点検をするように」と職員に呼び掛かけた。
同園では、2007年の休園日にチンパンジーがおりから脱出。1975(昭和50)年にはヒョウが脱走し、職員がけがをしたという。