通天閣(大阪市浪速区)で12月27日、新旧の干支(えと)がバトンタッチする恒例行事「干支の引き継ぎ式」が開かれた。
1956(昭和31)年から続く年末の恒例行事。本物の動物同士(辰はタツノオトシゴで代用)が対面し、双方の動物に代わって駄じゃれを交えた今年の反省と来年の抱負を語り合う。今年は、通天閣猿まわし劇場からサル3匹(菊千代・ハル・よもぎ)、天王寺動物園で生餌から人気者になった奇跡のニワトリ2羽(マサヒロ・ヨシト)が参加した。
今回は特別に、歌舞伎俳優の中村芝翫さんが橋之助さん、福之助さん、歌之助さんの息子3人とともに登場。通天閣観光の西上雅章社長が今年(申年)の口上、中村芝翫さんが来年(酉年)の口上を、それぞれ行った。
西上社長は「猿も木から落ちるほどの驚きの連続の一年、今年も反省材料に事キャキャない(事欠かない)年になった。地震に高齢者運転に覚醒剤。スマートフォンゲームの歩きスマホ急増や、国民的アイドルグループ解散騒動と、気持ちがくサル(腐る)年だった。みんなモンキー(文句)言わんといて!サル(去る)年は追わず、前向きに来年を迎えましょう!」と、ポケモンGOやSMAP解散など今年の世相を反映した口上を行った。
中村芝翫さんは「来年も大きく羽ばたく年に致しましょう! 飛ぶ鳥を落とす勢いで、幸福と繁栄をトリ(取り)込み、世の中が色トリドリ(取り取り)の幸せにうっトリ(うっとり)包まれますように。日本の元気をトリ(取り)孵(かえ)す(返す)ぞー!!」と、来年の抱負を語った。