NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」の中に「焼氷」が登場したことから、新世界の喫茶レストラン「グリルDEN・EN」(大阪市浪速区恵美須東2、TEL 06-6632-7774)で提供されている「平成の焼氷」の注文客が増えている。
100年前に発行された写真集「大阪新名所 新世界写真帖」の中で、初代・通天閣前にあった喫茶店「白雨亭」に「焼氷」の看板があることを上杉酒店(同)の上杉和功さんが見つけた。写真集には「焼氷は一種特別の製作に係り頗(すこぶ)る珍味なるものにして評判殊(こと)に宣し」と書かれているだけで、レシピなどは分からなかった。
上杉さんは「グリルDEN・EN」の和田賢史さんと当時の味を再現しようと研究。当時珍しいカラメルソースをかき氷にかけたものではと推測。店で提供するには驚くような仕掛けが必要と判断して現代版の焼氷の開発に着手した。
昨年7月3日、新世界・通天閣の基となる遊園地「ルナパーク」から数えて100周年を迎え、同日から「平成の焼氷」(700円)の提供を始めた。焼氷は、かき氷にカラメルソースをかけ、刻んだイチゴとその上にアイスクリームを載せて、提供するときに酒を上からかけて火をつける演出を行う。
NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」や情報番組、観光雑誌などに大きく取り上げられたことで、100周年で盛り上がった昨年よりも「平成の焼氷」を求める注文客が増えているという。
和田さんは「『ごちそうさん』に出てくるコーヒーをかける焼氷とは違う。当時のかき氷はフルーツをそのまま載せていた。使っている素材は全て根拠がある」と話す。
営業時間は12時~21時。木曜定休。