今年8月から文の里商店街(阿倍野区)で開催している「文の里商店街ポスター展」で11月9日、気に入ったポスターの投票を受け付ける「ポスター総選挙」が始まった。
同展は、電通関西支社の若手クリエーター60人が研修の一環でそれぞれの店のPRに制作した52店のポスター201枚を店頭などに掲示。コピーライターが考えたユニークなキャッチコピーに写真、イラストなどをデザイナーが制作した。
きっかけは通天閣近くの商店街・新世界市場で昨年、同社の日下慶太さんが「何か残るものを作って継続的に人を呼べたら」と考え、同社の若手クリエーターに呼び掛けポスターを制作。この取り組みがメディアに大きく取り上げられた。大阪商工会議所の「商店街フォーラム」で日下さんが講演し、商店街の再生を目的に他の場所でも開催しようという話になり、いくつかの候補から意欲的な文の里商店街を選定した。
同商店街は今年に入って駅前に大手スーパーが進出したこともあり、危機感を募らせていたときにこの話があったという。
投票は同商店街の5カ所で投票を受け付け(商店街での買い物客が対象)、先着1500人に全てのポスターを掲載した冊子(B5版、カラー64ページ)を進呈する。ホームページでフェイスブックの「いいね」数でも競う。日下さんは「若手社員の研修の一環でもあるので、総合賞やキャッチコピー、デザインの賞を考えている」と話す。
文の里商店街協同組合の江藤明理事長は「マスコミに大きく取り上げられてびっくりしたのが、札幌とか他府県の人が多く訪れた。人通りは倍くらい増えている。せっかくこんなポスターを作ってくれたので、われわれが何もしないわけにはいかないと思い総選挙を始めた。マンネリ化しないよう、オークションなどのイベントもしていく。売り上げはそんなに上がってないが、みんな元気が出てきたのが良かった。いろいろな前向きな意見が出るようになった。スーパーができたときはへこんでた人もいたから…」と話す。
ポスター展と投票受け付けは12月31日まで。