大阪市立自然史博物館(大阪市東住吉区、長居公園内)に寄贈された化石の中に恐竜化石が含まれていることが分かった。同館が8月10日に開いた会見で明らかにした。
香川県丸亀市在住の金澤芳廣さんが、中生代白亜紀後期カンパニアン期(約8300~7200万年前)の地層(和泉層群)から発見した大量の化石を同館に寄贈。同館の学芸員・林昭次さんが標本の中に恐竜らしき骨化石が含まれていることに気づき、北海道大学総合博物館・国立科学博物館の専門家との分析により、恐竜化石(胴体の背骨の1個)なことが明らかになった。同化石は1986(昭和61)年に同県さぬき市の山中で金澤さんが発見して自宅で保管していた物。
香川県で恐竜化石が見つかったのは初めて。恐竜化石と断定した根拠は椎体が巨大なことなどで植物食恐竜のハドロサウルス類の可能性が高く、白亜紀後期における日本の恐竜類の分布を明らかにする重要な標本という。
金澤さんは会見で「恐竜とわかって満足している。大変うれしい」と笑顔を見せる。
恐竜化石は、同館で現在開催中の特別展「氷河時代 ―化石でたどる日本の気候変動―」で展示する。