近鉄百貨店は11月1日、あべのハルカス近鉄本店(大阪市阿倍野区阿倍野筋1)ウイング館8階・近鉄アート館について会見を開き、2月22日の公演を皮切りに演劇事業を再開すると発表。初回公演に出演する歌舞伎俳優・片岡愛之助さんらが登場した。
近鉄アート館は1988(昭和63)年11月、こけら落とし公演・ミュージカル「ティファニーで朝食を」から小劇場としてさまざまな公演を行ってきたが、2001年から演劇事業を休止して催事や展示イベントなどに使われていた。ホールの面積は約300平方メートル。正方形のフラットな空間で三面客席が可能。総席数は300席程度。
主な公演は「片岡愛之助 特別公演(三番叟・歌舞伎舞踊を予定)」(2月22日、昼・夜2回)、1989年に近鉄アート館で初演した、わかぎゑふさん作・演出で升毅さんらが出演する「一郎ちゃんがいく。」(3月5日~9日)など。
会見では、片岡さん、升さん、わかぎさんや墨絵師・東學さんが登場。片岡さんは「大阪・堺の生まれで上方歌舞伎を継承するものとして、地元が活性化してほしいと思っているのでハルカスができることがうれしい」、升さんは「36歳のときに旗揚げした劇団MOTHERはアート館に育てられた。アート館が復活してうれしい」、わかぎさんは「大阪の劇場がなくなることが続いたのでこんな晴れやかな会見は10年ぶりくらい」とそれぞれ話し、東さんは片岡さんの公演でライブペインティングを行うと発表した。
併せて、ウイング館9階に貸しスペースなどで運用する多目的催事場「SPACE9」も開設すると発表。面積は93.6平方メートル。2月28日~3月2日、大阪芸術大学の卒業作品展と上映会を予定する。
同店は日本一高いビル「あべのハルカス」に入り、同ビルがグランドオープンする3月7日、全面開業する。