
大阪市立美術館(大阪市天王寺区、天王寺公園)の館蔵品で重要文化財の経典「物語下絵料紙 金光明経(こんこうみょうきょう) 巻第二」が、国宝に指定されることになった。同館が3月24日、発表した。
大阪市立美術館の内藤栄館長が経典「物語下絵料紙 金光明経 巻第二」を解説
同作品は、1192年の後白河法皇の崩御に伴い、その追善供養のために書写された美麗な写経で、現存する4巻のうちの1巻。生前、法皇が制作に関与していた絵巻の料紙が転用されたとみられ、経文の下には物語絵らしき描写(彩色前の下絵)がある。与謝蕪村の作品収集で知られる武藤山治の旧蔵品で、2023年に孫の武藤経三さんから同館に遺贈された。
内藤栄館長は「大阪市立美術館が90年近い歴史で初めての国宝。8700件の作品を持っていながら、これまで国宝が一つもなかった。新たに国宝が館蔵品に加わって、とてもうれしい」と話す。
同作品は、現在開催中の「What's New! 大阪市立美術館 名品珍品大公開!!」(3月30日まで)で3月25日から特別展示し、「日本国宝展」(4月26日~6月15日)の一部期間も展示する予定。