天王寺動物園 元エリート官僚の新園長に聞く

天王寺動物園の園長に就任した牧慎一郎さん

天王寺動物園の園長に就任した牧慎一郎さん

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 天王寺動物園(大阪市天王寺区)の園長に動物園改革担当部長の牧慎一郎さん(44)が4月1日、就任した。

100周年を迎えた元日に来園者を迎えた牧さん

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 昨年7月、公募していた任期3年の大阪市建設局動物園改革担当部長(経済戦略局天王寺魅力担当部長も兼務)に牧さんが就任。科学技術庁入庁を経て内閣衛星情報センター管理部付調査官を務めたエリート官僚だった異色の経歴の持ち主。動物マニアの側面もあり、2006年にはテレビ東京系列で放送されていた番組「TVチャンピオン」の「全国動物園王選手権」で優勝した。

 これまで同園の園長はほとんど獣医師が務めており、牧さんは異例の抜てきだという。吹田市出身の牧さんは「動物にはまったのは就職してから、全国の動物園・水族館を回るようになった。役人時代から動物園の運営に関わってみたいと希望していた。動物園を応援するNPOの代表を務めたこともある。動物園改革担当部長の公募が出て、やりたいと思っていた仕事が転がってきた感じで、チャレンジしたいと思った。嫁には押し切った感じで、怒りが収まってないみたい(笑)」と話す。

 牧さんは天王寺動物園について「ここ数年は右肩下がり感がある動物園になっていた。どういうサービスができるかを考えて実施していく。一人一人のお客さんに喜んでいただける施設でなければ生き残れない。外国人旅行者が増えていることもあり、日本の動物をそろえないかと議論している」という。

 成育する確率が2割以下といわれるホッキョクグマの赤ちゃんについて、「ホッキョクグマの子育ては難しい。いい環境を作ろうと現場は努力している。動物園にとって繁殖は、野生をどんどん持って来られる時代でないので命綱になっている」とも。お盆期間などで初めて実施するナイトズーについては「他の動物園では結構しているのに、大阪ではやっていなかった。安全性も考えて照明も整備する」と話し、「本年度はモルモットみたいな小動物に直接触れられるエリアを作る予定」と明かした。

 大阪市は2013年度の年間入園者数116万人から、2019年度は150万人にすることを目標に挙げており、「2014年度は136万人に増えた。任期の残り2年間で改革した成果を出すには、お客さんの数も重要なので、もっと高い位置を目指したい」とも。

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