通天閣(大阪市浪速区)で12月26日、今年と来年の干支(えと)の動物が対面する恒例行事「干支の引き継ぎ式」が行われた。
同式は現在の2代目通天閣が再建された1956(昭和31)年から続く年末の恒例行事で59回目。毎年、本物の動物(辰はタツノオトシゴで代用)が対面し、通天閣を運営する通天閣観光の社長と天王寺動物園の園長が世相を反映した今年の反省と来年の抱負を動物に代わり、だじゃれも交えて発表してきた。
今年の干支の午(ポニー)と来年の未(ヒツジ)が対面する今年は天王寺動物園の園長に変わり、4代目中村鴈治郎を襲名する歌舞伎俳優の中村翫雀さんが登場した。JRAが用意したポニーは有馬記念特別装飾(優勝レイ)をまとった。
通天閣観光の西上雅章社長は「今年は、ノーベル賞受賞や富岡製糸場の世界遺産登録等、めでたいこともあったものの、馬力も出せず、御嶽山の噴火や広島の土砂災害にもあいました。アベノミクスの効果も少なく景気もウマイチ(イマイチ)。やせ馬の先走りとなり、何とも馬馬しい(いまいましい)1年でありました。暴れ馬で、本当に申し訳有馬記念。今年の事は馬耳東風。人間万事塞翁が馬と言う事で、未年によろしく」と午に代わり話した。
中村さんは「お任せください!来年こそ前途洋々(羊)、ひつじるしい(著しい)躍進をお約束しましょう。群羊を駆りて猛虎を攻む勢いで、ひつじ(必死)のパッチになって、いざ、ひつじん(出陣)!メ~(芽)が出るよう頑張ります」と未に代わり話した。